形成外科とはどのような医療分野なのか?

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形成外科(けいせいげか)は、体の外側を形作る組織、つまり皮膚、筋肉、骨、脂肪などを取り扱う医療分野です。形成外科の専門医は形成外科医と呼ばれ、美容整形や再建手術、先天性異常や外傷の治療などを担当します。

形成外科の歴史は古く、古代エジプトの医師たちは傷口の縫合や創傷の治療を行っていました。古代ギリシャの医師ヒポクラテスは、傷口を清潔に保ち、自然治癒力を高めることの重要性を説きました。中世ヨーロッパでは、刃傷や燃焼傷の治療に麻酔を使わずに行われたため、非常に苦痛なものでした。しかし、近代になると、麻酔の発明や抗生物質の登場により、形成外科手術は安全で効果的なものに進化しました。

現代の形成外科は、多様な手術技術や治療法があります。美容整形はその一例で、顔や体の様々な部位を手術によって改善することができます。たとえば、顔のシワやたるみを取り除くフェイスリフト、鼻の形を整える隆鼻手術、胸を大きくする豊胸手術などがあります。また、がんや外傷の治療にも形成外科は重要な役割を果たしています。がんの摘出後の再建手術では、患者の体の機能や見た目を回復するために、皮膚や筋肉などの移植、プロテーゼの挿入などが行われます。外傷の治療では、損傷した皮膚や骨を修復するために、再建手術や皮膚移植が行われます。

形成外科手術には、患者の外見や機能を改善するだけでなく、精神的な健康にも大きな影響を与える場合があります。