彼女が美味しいお肉が食べたいというので、先日のデートにちょっと奮発してステーキハウスに行きました。彼女はいまだここの料理を食べた経験がないということで、意図せず気になっていたお店に来れたとかなり喜んでくれて、それだけで早くも来た甲斐があったと思いました。
おしゃれな雰囲気の中で、彼女と共にお店一押しの牛肉をオーダーします。お肉を待つ時間もあっちの照明がおしゃれ、あの料理がおいしそうと、魅力的なお店だけに話題が尽きず、楽しく過ごすことができました。
いつもと違うメニューを頼んだからか、鉄板の上で厚い牛肉を焼くパフォーマンスを見せてくれたのは感動しました。彼女と共に私も大興奮、食事に対する期待感が否が応にも高まります。
そうしてついに私たちの前にステーキは現れました。
深みのある赤にキラキラと光る脂、一見しつこそうにも見える脂肪の付き具合は口に入れてみると実にあっさりとほどけ、肉の甘味とジューシーな旨みを残して、嫌味のない歯ごたえと共にあっという間に消えてしまいます。私も彼女も、しばらくは無言でそれを味わいました。
値段相応の、いやそれ以上の幸せな時間を過ごすことができ、クオリティの高い食事のおかげで最高のデートとなりました。彼女の反応を見る限り、私よりも牛の方が好きなのではないかと思えるのが切ないですが、仕方ありません。