本によって全然違う宮部みゆきワールド

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book26宮部みゆきの本が好きで結構読んだことがあります。宮部みゆきは本当に話によって面白いものとそうでないものの差があると思います。また、結構専門的な話を組み込んだ小説もあり、読みながら様々な世界について知ることもできる小説家だと思います。
最近宮部みゆきの本で「チヨ子」というものを読みました。子どもが産まれてなかなか長編小説を読むことができなくなたので、チヨ子は短編小説だからという理由で手に取ったのですが、宮部みゆきらしい本だというのが一番の感想でした。
いくつかの物語があるのですがどの物語も若干ファンタジー要素があり、読み終わった後に爽快感などは全くありません。

しかし私が好きな宮部みゆきっぽさである、物語を通じて心に訴えかけてくる感じがとても強い本だと思います。
「チヨ子」は1日着ぐるみを着るアルバイトをすることになった女性が主人公なのですが、この話はとても心がほっこりする話です。優しい温かい気持ちになれる反面、どこか背筋が涼しくなるような怖さもあるから不思議です。
最後の「聖痕」はもう宮部ワールドがさく裂していると思います。虐待を受けて育っていた少年が事件を起こしたことが物語の根底にあるのですが、宮部みゆきなりにこの問題について通常とは全く異なる切り口で物語を作り上げています。